古代バビロニアの計算は60を繰り上がりにした
現在の十進法は9の次を10へ繰り上げますが、古代メソポタミアでは60を単位にする位取りが天文学や計算で発達しました。60は約数が多く、分数を整数で表しやすいという実用上の強みがあります。
円を360度に分ける伝統や、角度の1度を60分、1分を60秒に分ける表記にも60進法が残りました。時間の分・秒という名前も、ラテン語で第一・第二の細分を意味する表現に由来します。
時計が先ではなく、天文学の分割が先
古代の日時計や水時計が最初から秒を刻んでいたわけではありません。昼夜の区分、天体位置の計算、角度の細分が長い時間をかけて組み合わされ、機械式時計の精度向上とともに分・秒が日常の表示になりました。
現在の秒は地球の自転ではなく、セシウム133原子の遷移周波数を基準に定義されます。古代の数え方を残しながら、単位の実体は原子へ移ったのです。
10進時間は何度も提案された
フランス革命期には1日を10時間、1時間を100分にする十進時刻も導入されました。しかし時計、生活習慣、国際的な天文表を一斉に変える負担が大きく、定着しませんでした。便利な規格は、計算の美しさだけでは置き換えられません。