世界の物差しは7つからできている。SI基本単位の不思議

18世紀末の科学者たちが測量図とメートル原器を調べるイラスト
地球を基準にメートルを定めようとした測量事業をもとにしたイメージ。史料を参照して制作したAI生成図版です。
SIの7基本単位
m 長さ
kg 質量
s 時間
A 電流
K 温度
mol 物質量
cd 光度

単位は、国境を越えるための言語

長さや重さの呼び方が町ごとに違えば、商取引にも科学にも毎回翻訳が必要です。1875年のメートル条約は、国際的に同じ基準を維持する組織を生み、1960年には国際単位系にSIという名前が与えられました。

7基本単位は自然界に7種類しか量がないという意味ではありません。歴史的に独立した土台として選ばれ、速度はm/s、力のニュートンはkg·m/s²のように組み合わせて表します。

現在は「物」ではなく定数で定義する

かつて1kgは金属製の国際キログラム原器そのものでした。しかし物体は汚れたり、表面の原子を失ったりします。2019年からはプランク定数など七つの定数の数値を固定し、単位を実現する方式へ移りました。

どこか一か所の物体へ頼らず、十分な技術があれば世界の別々の研究所で同じ単位を再現できる。SIは単位表というより、測定結果を共有するための国際的な約束です。

大文字と小文字にもルールがある

人名由来の単位記号はN(ニュートン)、Pa(パスカル)、K(ケルビン)のように大文字で始まりますが、単位名を文章で書くときは小文字が基本です。メートルはm、秒はsで、複数形だから記号にsを足すこともありません。

参考資料