1メートルは地球から生まれ、いまは光で決まる

メートルの定義の変遷
1799年 地球の子午線と白金棒
1889年 白金イリジウム原器
1960年 クリプトン86の光
1983年 真空中の光速

「すべての時代、すべての人々のため」の長さ

フランス革命期、身体の一部や土地ごとの慣習ではなく、地球そのものを基準にする案が選ばれました。北極から赤道まで、パリを通る子午線上の距離の1000万分の1を1メートルとする構想です。

天文学者ドランブルとメシャンはダンケルクからバルセロナまでを測量しました。遠征は戦争、逮捕、事故に悩まされ、後には地球の曲率計算にも小さな誤差があったと判明します。それでも作られた白金棒が現実の基準になりました。

棒より光のほうが再現しやすい

1889年には白金イリジウム製の国際メートル原器の刻線間距離が基準になりました。1960年にはクリプトン86原子が発する光の波長へ、1983年には真空中の光速へ定義が移ります。

現在の1メートルは、光が真空中を1/299,792,458秒の間に進む距離です。光速の値を正確に固定したため、正確な時計とレーザーがあれば長さを実現できます。

定義が変わっても、定規は急に伸びない

定義変更では、以前の1メートルと実用上連続するよう数値が選ばれます。科学の精度を上げながら、建物や部品の寸法が一夜で変わらないことも、単位制度の重要な条件です。

参考資料