きっかけは、レジ待ちを短くしたいという相談
1940年代末、大学院生だったバーナード・シルバーは、食品店の商品情報を自動で読み取れないかという相談を耳にしました。友人のノーマン・ジョセフ・ウッドランドと考案したのが、太さの異なる線を機械で読む仕組みです。
ウッドランドはモールス符号の点と線を下へ伸ばす発想から縞模様を考え、さらに、どの向きからでも読みやすい同心円状のブルズアイ型へ変形しました。二人は1949年に出願し、1952年に米国特許を取得します。
丸いほうが便利なのに、なぜ縦縞になったのか
同心円なら商品が回転していても読み取れます。しかし印刷が少し横へずれると円の太さが変わり、情報を誤読しやすい欠点がありました。大量の商品包装へ安定して印刷するには、直線型のほうが扱いやすかったのです。
1973年に米国の食品業界が採用したUPCは縦縞型でした。翌1974年、オハイオ州のスーパーでガムのパックが商用UPCスキャナーによって初めて読み取られたことで、バーコードは店頭の風景になりました。
QRコードにも残った「向きを気にさせない」思想
QRコードの三隅にある大きな目印は、読み取り機が位置と向きを素早く判断するためのものです。形は円から四角へ変わりましたが、「人が丁寧に向きを揃えなくても機械が読めるようにする」という初期バーコードの問題意識は残っています。