史料研究法 · 文献横断レポート

料理本は食卓そのものではない:江戸の味を研究する作法

料理書調査の方法を比較し、出版物の記述から日常の食事をどこまで推測できるかを整理する。
料理書から直接は分からないこと
頻度実際の摂取回数
階層誰が食べたか
量一人前・流通量

問い:料理書にある料理は、誰が食べていたのか

料理書は非常に豊かな資料だが、書かれたレシピの数を日常の食事回数とみなすことはできない。醤油、酢、煎り酒の研究も、明確な選定条件で料理書を対象にしている。

この共通点は、料理書が比較可能な言語資料である一方、食卓の無作為標本ではないことを示す。

この節の参照文献:[1] [2] [3]

比較:三つのコーパスは同じものを数えていない

醤油研究は語の出現、酢研究は酢料理と用途、煎り酒研究は原典に基づく再現と評価を扱う。研究質問が違うため、数字を横に置いても同じ意味にはならない。

記事では対象冊数、対象時期、抽出単位、研究者自身が述べた限界を表にする。数字の大きさではなく、何を数えた数字かを先に示す。

この節の参照文献:[1] [2] [3]

結論:史料批判が、料理を面白くする

史料の限界を示すことは、江戸料理を遠ざけるためではない。誰の、どんな工夫が残った記録なのかを具体的に想像するための手順である。

一次史料の画像を使う場合も、公開条件と版を明記し、翻刻や現代語訳を原典そのものとして扱わない。

この節の参照文献:[1] [2] [3]

参考文献

APA第7版形式。本文中の角括弧の番号は、この一覧の文献番号に対応します。直接引用は行わず、研究の方法・結果・限界を要約しています。

  1. Aoyama, S., Katayose, M., Kawarazaki, Y., Konishi, H., Sakagami, A., Sawada, M., Shigaki, H., Tominaga, S., Masai, C., Yamamoto, N., Yamamoto, Y., & Yoneda, Y. (2004). 関西のうす味・うす色食文化の形成とうすくち醤油の利用に関する研究(第1報): 江戸期の料理本に見るしょうゆの出現数と地域性. 日本調理科学会誌, 37(1), 21–34. https://doi.org/10.11402/cookeryscience1995.37.1_21
  2. Yanagihara, N., Maehashi, K., Akuzawa, S., Hosaka, M., & Koizumi, Y. (2021). 江戸期における日本料理への酢の使われ方. 日本調理科学会誌, 54(3), 132–140. https://doi.org/10.11402/cookeryscience.54.132
  3. Tominaga, S., Maeda, T., & Kishida, E. (2012). 江戸期の調味料「いり酒」の嗜好特性:成分特性と官能評価. 日本調理科学会誌, 45(1), 37–42. https://doi.org/10.11402/cookeryscience.45.37